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最長で1年半だった育児休業の取得期間が2年に延長することを検討した審議会が議論を始めましたね。
育児休業とは、子育てをするために仕事を休むときに取得できる制度です。原則子供が1歳になるまで使う事が可能で、休職中は働いていたときに給与から天引きされていた雇用保険から給付金が支給されます。
また、子供が保育園に預けられない場合に半年延長する事が可能ですが、厚生労働省がこれを半年から1年に延長する審議を始めたというわけです。理由は1つですね。
少し前もニュースになりましたが、待機児童が増えているからです。待機児童に関しては別の記事でも書きましたが増加傾向にあり、減る目処が立っていません。厚生労働省はこの待機児童問題を解消する為に育児休業取得期間を1年半から2年に延長することを検討しています。
なぜ1年半から2年に延長するのか?
これは最初に書きましたが、待機児童が減らないことが1番の理由です。現在都内の待機児童は約8500人、全国の待機児童は23000人なので約4割の待機児童が都内に集中しているという事になります。
待機児童は子供を保育園に預けたいのに保育園に空きが無いため、入園する事が出来ない子供の数であり、産まれたばかりで今のところ保育園に預ける予定が無い子供や親が保育園に預ける事を諦めている家庭は含まれていません。これらの子供の事を隠れ待機児童と言います。
その数なんと5万人!これは正確な数字は分かっていませんが、仮に待機児童の割合に当てはめてみると都内では2万人近くの隠れ待機児童が居る事になります。
待機児童と隠れ待機児童を合わせると都内だけで25000~30000人の待機児童が居るという計算になりますね。
現在、新しく都知事になった小池百合子さんが待機児童を減らすために保育園の増設を宣言し、12000人から17000人の子供を受け入れる体制を整えたいみたいですが実際問題難しいと思います。今回の育児休業延長は子供を受け入れる体制が間に合わないための苦肉の策といった感じが正直否めません。
延長する意味はあるのか?
これは限定的ですがあると思います。この限定的というのは都会に限って、という意味です。そもそも待機児童が居るのは都会と呼べる場所だけに発生する事であり、田舎には一切関係の無い言葉であり、田舎の人からすれば1年半から2年に延長になったとしても住民からは「ふーん」の一言で終わりそうな内容です。
田舎のほうでは都会ほど賃金は高くありません。夫婦共働きも都会より多いと思います。子供はある程度大きくなったらさっさと保育園に預けて女性は働きに出るのが当たり前になっています。
1年半フルに育児休業を使う人は仕事を辞めることを前提にした人が多く、実際私の友人もパートでしたが雇用保険があったので1年半全て育児休暇を取得した後に仕事に復帰せず、そのまま辞めてまた新しい職場にパートで行ってました。
なので見方を変えればそれが2年になるのなら田舎でも十分意味のある制度になる可能性はあります。家計に左右される制度である事は間違いないと思いますが・・・
2年延長になった場合に取得すると影響はある?
これはパートでも正社員として働いていても非常に大きな影響があると思います。仕事は時代とともに変化していきます。2年も休めば新しい仕事が増えていたり周りの人間も変わっている可能性が非常に高いです。
俗に言う浦島太郎状態ですね。
業種によって変化の大小はありますが、例えばスーパーなどのパートなら商品の陳列が変わっていたり、レジが最新のものになっていたり、知っている人が居なくなっていた、など覚える事が一気に増えたり、人間関係をまた1から構築していかなければなりません。
最早これは仕事に復帰するというよりは新しい職場に来たという感覚の方が適切かもしれませんね。
また、会社員になれば2年と言う時間はパートの人より大きくなっている可能性があります。新しい仕事が増えたり、知らない部署が増設されたり、復帰したら全く違う部署に配属になってしまった、などパートと同じく気分は新入社員と同じかもしれません。
出産後も早く仕事に復帰したい女性が多いのはこういった状況を避けたいためではないでしょうか?勿論旦那の稼ぎだけではやっていけない、仕事が好きだから、という人も居るでしょう。しかし2年という時間は会社に多くの変化をもたらすには十分過ぎる時間です。
出来るだけ変化の流れに沿っていくには出産ギリギリまで仕事を続け、出産したら出来るだけ早く保育園に子供を預け、早く復帰するというのが働く女性の考えだと思います。
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男性が取得する場合の影響は?
これはハッキリ言ってかなり未知数ですね。日本では海外ほど男性の育児休業に対して前向きではありません。一応男性でも申請すれば1年間は取得する事が可能です。
しかし、現在日本で育児休業を取得する男性は2%ほどです。北欧などでは男性が育児休業を取得する割合は60%という高い数字の国もありますが、日本では今の社会を牽引している世代が育児について無関心な世代の人ばかりなので理解されません。
当然1年も仕事を休んでしまうと出世に響いたり、会社内での立場が弱くなったりする可能性が非常に高くなりますので育児休業は諦めて育児休暇を取得するだけになりそうですね。期間もせいぜい1週間が限界といったところでしょう。
もし育児休業の期間が1年半から2年に延長になったとしても今の日本社会では男性にとってメリットになることは1ミリも無いと思います。
つまりそれは男性にとって今回の延長策は影響が無いと断言できるものです。
まとめ
都内では出生率が全国最低ですが待機児童は全国最多です。世の中にはこれから日本は人口減少社会になるから今から待機児童の受け入れ問題を解決してもそれは一時的な問題解決にしかすぎないという考えの人も居ます。
本当にそうでしょうか?人口減少はもうすでに始まっています。しかしそれは田舎だけの問題であり、都内の問題にはなっていません。今後日本の人口が減って行っても都内の人口が減る事はないでしょう。
それは長年出生率が低いのに人口が増え続けているからという理由以外ありません。日本の問題は東京都内の問題を解決する事が何事も最優先です。田舎に住んでる私からすれば「なにくそ!」なんて思ったりしますが仕方ありません。
育児休暇の延長は大事なことかもしれませんが、保育園を増やすのなら質の高いサービスが提供できる施設作りが出来るように頑張って欲しいと思います。
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