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今年も2年連増で待機児童増加と言う結果を厚生労働省が発表しましたね。全国の待機児童は約2.3万人居ると推測されています。2年連続増加と言われていますがその数字は2009年と比べても大きな変化はありません。
なぜ待機児童は増え続けるのか?また減らないのか?その原因は何なのか探ってみましょう。
Contents
待機児童のカラクリを知る
全国の認可保育園の定員に対して申し込みをする児童の数のほうが実は少ないと言う事実を皆さんはご存知ですか?定員数に対して申し込みが少ないにも関わらず待機児童が増える理由はいったいどこにあるのでしょうか?
都市部に集中する待機児童
これはもう当たり前のことですね。東京都内の待機児童数は約4500人で全国の待機児童数の約20%を占めています。理由としてあげられるものは沢山ありますが1番の大きな理由は人口の都市部集中でしょう。
東京都の人口はここ20年毎年増加しています。東京都周辺の地域からの人口流入もありますが、地方からの上京なども原因の1つです。人口増に対して保育園数も増えていますが人口増のペースに保育園数が追いついていないのが現状です。需要に対して供給過多のような状況と言ってもいいでしょう。
また、景気低迷による所得低下が原因で女性も働きに出なければ成り立たない家庭が増えたことも待機児童数が増えた原因だと思います。
急増する地域の待機児童
市の意向で子供が育てやすい環境を作った政策を打ち出した地域などは急な人口増で待機児童が増えるといった現象がありますが、これは一時的なものであり都市部のような慢性的な待機児童問題が発生するわけではありません。
市町村の人口増は歓迎されることであり、それに対して税金の増収を見込めるので新たに保育施設を建設したりする事で一時的に増えた待機児童問題を解消する事が可能です。
保育園を増設したくとも土地が余っていない都内と比べれば慢性的な問題に発展する可能性は無いでしょう。
地方では定員割れの保育園が増加
都市部での人口増、待機児童増加問題に対して地方では6割の自治体で定員割れと言う現実です。都市部の待機児童数以上に定員割れ数が多いことが原因で全体的に見た需要と供給のバランスが崩れてしまっています。
待機児童問題を解決するために日本政府は都市部での認可保育園増加を課題にあげていますが、これはいたちごっこになる可能性が非常に高いです。
仮に待機児童問題が解決できたとすれば、都市部でも保育園に入れると思い、ますます都市部に人口が流れ、結果的に人口が増えてまた施設が足らないという事になりかねません。そうなると逆に地方では更なる定員割れが進み、保育園の閉園により職を失う人も出てくるでしょう。
日本政府は都市部の待機児童問題を解決するよりも地方の活性化を念頭に置き、人口が都市部に集中しない政策を打ち出す事が根本的な解決策だと私は思います。
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解決策はあっても課題は山積み
保育施設の増設、地方の活性化など解決策は沢山ありますが、課題は沢山あります。目に見える問題だけをクローズアップし、それ(保育園増)に対しての政策を打ち出しても解決する事は難しいでしょう。
なぜ、待機児童が増えるのか?地方の保育園は定員割れなのか?保育士の質は?保育士の職業としての人気は?疑問に思う事、解決しなければいけないことは沢山あります。ただ、表面的に出てきている問題だけを解決しても根本的な問題解決にはなりません。
急な保育園の増設による保育の質は大丈夫?
2.3万人の待機児童を解決するには最低でも2000人以上の保育士が必要です。2017年度末までに解決したいといっている安部総理は待機児童を入れる箱さえ準備すればいいと思っているのでしょうか?
新しい保育園には新たに先生が必要になります。保育士の資格を持っている人はかなりの数がいると推測されていますが、新たに保育園が出来た場合、資格を持っているだけで経験の無い先生が増える可能性があります。
これは保育施設全体で見れば質の低下を招きますし、質の低下は事故を招く原因にもなります。事故を起こせば結果的に閉園になったり、不人気となり人が集まらなくなる可能性もあります。
ただ保育園の数を増やすだけでは解決できる問題ではないのです。
保育士の労働環境は過酷で対価に見合わない?
保育士にないたいと言う学生は今も非常に多いです。理由は子供が好きだから、憧れだから、と色々ありますが結果的に保育士という職業は長く続かない事が多いです。それはなぜか?
1番の大きな理由は労働時間や環境に対して対価が少なすぎるという事でしょう。保育士の年間所得は一般的なサラリーマンと比べても平均的に見て少ないです。仕事量に関して言えばサラリーマンと変わらないくらいの仕事があるの給与は少ない、これでは人気は出ません。
認可保育園は大きく分けて3つの種類があります。
・社会福祉法人が経営する私立保育園
・株式会社などが経営する私立保育園
この3つに分かれることが多いと思いますが、それぞれ環境によって所得が大きく変わります。それぞれメリット、デメリットがありますが圧倒的に保育士の中でも人気なのが地方自治体が経営する公立保育園です。
これは保育士といっても扱いは公務員になります。福利厚生もしっかりしていて給与も非常に高く、採用試験には多くの人が殺到します。保育士が過酷労働で対価に見合わないと書きましたが公立保育園の採用に関しては無縁です。
保育園の悪条件を招いているのは社会福祉法人と株式会社が経営する私立保育園が大きいでしょう。
これを見れば一目で保育士の人気、不人気の理由が分かります。
公務員保育士以外の待遇改善を
社会福祉法人や株式会社経営の待遇を改善しない限り保育の質の向上や保育士不人気を覆す事は難しいでしょう。政府はこの度、保育士の月額報酬に2%の6000円の上乗せを解決策として打ち出しましたが、月額6000円で何が出来るのでしょうか?
たった6000円で保育士の質や保育士の不人気問題が解決するとは思いません。お金は仕事に対する重要なモチベーションにつながります。上げるならせめて給与の1割とかじゃないでしょうか?
そもそも給与の基本が低い保育士がたった6000円で魅力的な職業に変わるはずがありません。
まとめ
待機児童の解決策はたくさんある問題の中でこれを解決したから大丈夫、ということには絶対になりません。私のような一般市民個人がブログでこのような事を書いても何も解決はしないでしょう。
しかし、1人でも多くの人の目に触れる事で少しでも問題を理解してもらえればそれは解決策が生まれるための第一歩になるかもしれません。子供に関する問題は早めに解決していかなければ結果的に長い目で見れば日本と言う国にとってマイナスしか生み出しません。
キャリアアップのために少子化担当大臣など名ばかりの素人金持ちを大臣にするなら子沢山の政治素人主婦をポストに置いた方がいい仕事をするんじゃないですか?机上の空論で話を進めるのではなく、現場の声に耳を傾けて問題を解決できる政治が増える事が日本の将来のためにも必要だと思います。
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