日本生命の不妊治療保険ChouChou(シュシュ)とは?メリット・デメリットはあるの?

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最近の日本では馴染み深い言葉になってきた「不妊治療」ですが、普通に妊娠・出産を経験された方にとってはあまり意識して聞かない言葉かもしれませんね。この度、日本生命が不妊治療保険を業界で初めて発売する事が決定しました。

 

不妊による治療を受けたい、もしくは受けている女性は非常に多く、不妊治療の助成金制度を活用している人は毎年増え続け、2010年の段階で10万人以上というデータもあります。この10万人の内の1割でも保険の適用で救われる人が出てくればいいですね。

 

では、なぜ不妊治療を受ける人が増えるのか?そしてその金額は平均いくらくらいなのか?不妊治療保険のメリット、デメリットはあるのか?調べて行きたいと思います。

不妊の原因は様々

不妊の要因は色々あります。原因はこれだ、というものの断定が難しい現象になります。女性の持って産まれたものなのか、男性側が持って産まれたものなのか、など考えられますが最も多い原因は日本社会の晩婚化が大きいでしょう。

右肩上がりの平均初婚期年齢

厚生労働省のデータでは2011年で男性の平均初婚期年齢は30.7歳、女性が28,8歳と言われています。それが30年前は25.2歳と、たった30年で3歳以上も平均が上がっていることになります。そして現在は2016年ですのでさらに数値は上昇しているでしょう。

 

婚期が遅くなる事について私は個人的には何も思いません。34歳ですが結婚していない友人もまだまだ居ますし本人も焦りがありません。しかしこれは男性側の意見であって女性の友人からは「もう子供は厳しいかなー」といったネガティブな発言を聞く事もあります。

出産年齢の高齢化

高齢化という言葉を使う事自体が失礼かもしれませんが、これも30年前と比べると3歳以上平均年齢が上がっています。2011年で30歳が初産の平均年齢という結果がデータとして出ています。

 

数年前に歌手の幸田來未さんの「羊水が~」発言で大バッシングされたのは記憶に新しいと思います。

 

この発言はさておき、やはり年齢が高くなるにつれて妊娠しにくい体になって行くことは避けられない事ですね。ただこれは個人の能力に大きく左右される場合が大きいので一概には言えません。不健康で病弱な20代と健康的で病気をしたことがない30代ではどちらが妊娠に適しているか、など年齢だけでひとくくりには出来ません。

 

それでもデータが示すように婚期、出産期の年齢が右肩上がりなのと不妊治療を受ける人数が右肩上がりなのが偶然の一致とは言い難いのも事実だと思います。

 

不妊治療の費用は?

初期の検査などでは健康保険適用で安く済みますが、高度な治療になると保険適用外となり費用は全て実費になります。体外受精や顕微授精は1回の治療で30万円なんてこともあります。

 

自治体によっては助成金の申請により、実費の半分ほどで済む場合もありますが、これは回数制限や上限金額、不妊の度合いによって沢山の種類があります。ここで説明する気はありませんが助成金制度があるという事はそれだけ深刻な問題だと受け止めることも出来ます。

 

不妊治療で妊娠するまでの平均費用

とあるNPO団体が不妊治療を受けているカップルを調査したところ、妊娠するまでに100万円以上かかった割合は2000人中1100人、つまり55%の人が1回妊娠するまでにそれだけの費用が必要になるということです。

 

自治体によって助成金の金額や病院によって治療費が違うので一概には言えませんが、それらを考慮しても安いものではありません。

 

 

費用が高過ぎて断念する人も

助成金などを利用しても妊娠する事ができず、子供を授かりたいのに費用が高過ぎて断念する人が多いのも事実です。保険適用外ですから当然といえば当然ですよね。中には不妊を理由に離婚する夫婦もいます。

 

子は神からの授かりモノ

 

という言葉があるように、自分に言い聞かせながら諦める人も居るかもしれませんが、可能性があるなら賭けてみたいと思うのは当然のことだと私は思います。
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不妊治療保険のメリット3つ

長々と前置きを書きましたが不妊治療で困っている人たちの救世主になれるのか?日本生命が発表した業界初の不妊治療保険ChouChou(シュシュ)のメリット・デメリットを調べて行きたいと思います。

 

当然保険ですから必要になる事があれば必要にならないこともあります。

 

不妊治療費を安く抑えられる

これはもう保険適用外の治療に保険が適用されるわけですから費用が安くなるといったことになりますよね。保険の適用は特定の不妊治療をおこなった場合、最大12回まで一時金を受け取る事が可能となっています。

 

保険適用外治療を受けた場合、1~6回は5万円、7回~12回は10万円となっており、助成金と併せれば費用の半分~半分以上を賄えることになります。そして無事出産まで迎えると出産一時金の特約もあるので、不妊治療に悩んでいる女性にはまさに救世主になり得る存在になるでしょう。

不妊治療以外に三大疾病も適用

これはもう近年の保険では当たり前の内容ですね。今回新たに発売される特定不妊治療保険は三大疾病+不妊治療という内容になっています。不妊治療以外でも病気になって保険を使う場合も可能性は0では無いのでありがたい内容になっていますね。

 

三大疾病、とりわけ、がんは女性にとっても大きなリスクとなっており、食生活や生活環境の変化等を背景として、罹患者数は増加傾向にあり、15歳~39歳の女性については、20年前に比べて、乳がんが約1.7倍、子宮がんが約2.4倍に増加しています。(国立がんセンター調べ)

保険を使わなくても満期になれば一時金

これも保険ではよくあるパターンですね。今回新たに発売されるChouChouもしっかりこの制度があります。適応年齢が40歳までになっているので仮に20歳~40歳までの20年間で満期を迎えた場合、最大で200万円受け取る事ができます。

 

仮に期間内に保険を適用したとしても差額分が払い戻しされる仕組になっていますね。保険を使っても使わなくてもお金が戻ってくるならメリットは大きいのではないでしょうか?

 

不妊治療保険のデメリット

保険は何もメリットだけではありません。契約してもデメリットになる可能性もあります。デメリット、もしくは契約が無駄になる可能性も考慮して探って行きたいと思います。

 

不担保期間が2年間

不担保期間が2年間、つまり契約しても2年間は保険が適用外という事です。三大疾病に関しては1年ですが、不妊治療の場合は2年という風になっています。保険金額は月額1万円程度なので単純計算で24万円ほど不妊治療の為に先行投資する必要があるという事です。

 

もしその2年以内に不妊治療が成功して無事子供を授かった場合、掛け金は無駄になる可能性があります。出産一時金がありますが、不担保期間で保険適用外の出産で一時金が払い戻されるのかは現在不明です。

保険料は安くはない

要は不妊治療を受けたくても受けられない世代を取り込みたい、不妊治療が必要かどうかまだわからないという幅広い対象を長期的に確保したいという内容が見え隠れしないわけでもない。

 

適応年齢は16-40歳となっており、40歳なら不妊治療が必要と判断できるが、16歳ではまだ判断できない、でも保険金は16歳と40歳では1000円程度しか変わらない。保険期間も10年、15年、20年と長期になっているので若年層のうちから契約するにはリスクが高いように思える。

 

保険期間と金額は以下の通り

契約年齢
16歳 20歳 25歳 30歳 35歳 40歳



10年 9535円 9633円 9825円 10128円 10557円 10869円
15年 9621円 9747円 9972円 10227円 10518円  ー
20年 9747円 9894円 10086円 10233円  ー  ー

 

気になるなら早い段階で産婦人科で検査してから契約するのが妥当ではないでしょうか?

後からもっといい保険が出てくるかも?

不妊治療を受けている、受ける予定がある人には切実な悩みかもしれませんが、不妊治療の保険が日本で解禁になったという事は今後他の保険会社からも同様の保険が発売される可能性が非常に高いです。

 

もしかしたら半年後にもっと安い保険内容で高い保証を受けられるものが出るかもしれません。日本人は日本初とか業界初なんて言葉に弱いので飛びついてしまうかもしれませんが、そこは少し冷静に距離をとって考えてみましょう。

将来受取額と解約払戻金 (10月8日追記)

基本的に保険内容は三大疾病+特定不妊治療の積立保険になりますが、保険金が安くないため、どうしても中途解約をしてくる人も出てくると思います。それでも不妊治療にかかる費用と比べれば安くつく可能性があるので解約する人は他の保険と比べても少ないかもしれませんが、一応参考にしてください。

例)27歳 女性 ヤマダハナコ 保険期間20年

経過

死亡保険金

万円

年間保険料

万円

累計保険料

万円

解約払戻金

万円

1 27 300 12.1 12.1 6.2
2 28 300 12.1 24.2 14.8
3 29 300 12.1 36.4 23.5
4 30 300 12.1 48.5 32.5
5 31 300 12.1 60.7 41.7
6 32 300 12.1 72.8 51.0
7 33 300 12.1 84.9 60.7
8 34 300 12.1 97.1 70.7
9 35 300 12.1 109.2 80.8
10 36 300 12.1 121.4 91.1
11 37 300 12.1 133.5 101.1
12 38 300 12.1 145.7 111.3
13 39 300 12.1 157.8 121.6
14 40 300 12.1 169.9 132.0
15 41 300 12.1 182.1 142.7
16 42 300 12.1 194.2 153.5
17 43 300 12.1 206.4 164.7
18 44 300 12.1 218.5 176.1
19 45 300 12.1 230.7 187.9
20 46 300 12.1 242.8 200.0

金額は全て1万円単位になっています。

 

27歳女性でこの金額なので年齢が上下すれば払戻金も上下します。

まとめ

不妊治療保険のメリット・デメリットを簡単に書きましたが、業界初の保険が日本解禁という事は素直に喜んでいいことだと思います。

 

高額な不妊治療に妊娠を諦めていた人には救いの手となるかもしれません。今後一般的な保険として定着していき、不妊に困っている方が1人でも多く救われればいいと私は思っています。
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